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はじめに:不倫問題で離婚・慰謝料請求をお考えの方へ
配偶者の不倫が発覚した際に、多くの方は「離婚すべきなのか」「慰謝料は請求できるのだろうか」と悩まれます。不倫を原因として離婚を考える場合、多くの場合では慰謝料請求も同時に進めることがあります。
しかし、離婚と慰謝料請求を同時に進める際に注意すべきいくつかのポイントがあります。今回は、配偶者の不倫問題を理由に離婚と慰謝料請求を検討されている方のために、具体的な注意点や進め方について詳しく掘り下げてご説明します。
離婚と慰謝料請求を同時に進めるメリットとは?
慰謝料請求と離婚手続きを同時に行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 時間や手間を節約できる:別々に進めるより一度に手続きを済ませるほうが時間や心理的負担を軽減できます。
- 経済的負担の軽減:一度に進めることで、弁護士依頼の費用や裁判所の手数料などが節約できる場合があります。
しかし、同時進行を行う際には注意すべき点もありますので、次項で具体的に解説します。
不倫による離婚・慰謝料請求を進める際の注意点5つ
① 不倫の証拠収集
不倫が原因で離婚を進める場合や慰謝料を請求する場合、「不倫があったことを明確に証明できる証拠」を集めることが非常に重要です。証拠が曖昧な場合、相手が不倫を否定する可能性が高く、交渉や裁判で不利になってしまいます。
- 具体的な証拠の例:写真や動画、メールやLINEの履歴、不倫相手との宿泊記録やクレジットカードの明細、目撃証言など。
- 「一度限り」ではなく、継続的な関係を示す証拠の方が有効です。
② 慰謝料の相場を適切に把握しておく
配偶者の不倫による離婚についての慰謝料相場は、一般的には100万円~300万円程度が目安です。ただし、以下のような諸条件によって金額が変動しますので、あらかじめ状況を整理しておきましょう。
- 婚姻期間(例えば、20年以上の婚姻期間だと慰謝料額が高額になる傾向があります)
- 不倫の期間や程度(長期間でより悪質なら高額になる可能性があります)
- 子どもの有無や精神的な苦痛の大きさなど
- 相手の収入や経済状況
③ 不倫相手への慰謝料請求の可否を事前に確認する
配偶者だけでなく、その不倫相手(第三者)に対しても慰謝料請求を検討する場合があります。不倫相手に慰謝料請求を行うには、相手が婚姻中であることを認識していた、または認識できる状況であったことが前提です。不倫相手が既婚者だと認識していなかった場合、慰謝料請求は難しくなります。
④ 離婚協議書の作成や公正証書化を同時に進めると効果的
離婚を進める際は、養育費や財産分与、面会交流などの取り決めを記した「離婚協議書」を作成することが重要です。
特に慰謝料など重要な取り決めについては、法的に有効で執行力を持つ「公正証書化」をしておくことを推奨します。公正証書があれば、相手が慰謝料支払いを拒否した際にも給与や預金の差し押さえといった「強制執行」が可能になります。
⑤ 相手方との交渉は冷静に行う
不倫問題は感情的な対立が起こりやすいため、交渉が難航するケースも少なくありません。しかし、怒りや焦燥感から無理な要求を突き付けたり、強引に交渉を進めたりすると、トラブルが深刻化する恐れがあります。問題を冷静に進めるため、交渉は専門家である弁護士に依頼する方が合理的です。
弁護士に依頼する主なメリット
感情的で難しい離婚・不倫慰謝料問題においては、弁護士に相談・依頼することで、主に以下のようなメリットがあります。
- 豊富な経験をもとに適正な慰謝料額の提示・交渉が可能
- 証拠収集や書類作成などの複雑な手続きを的確・迅速に進められる
- 相手方との交渉を専門の弁護士が代行するため、感情的トラブルやストレスが減少する
- 裁判になった場合でも、裁判所提出書面の作成や法廷代理人として交渉を任せられる安心感がある
離婚と慰謝料請求を同時に進める場合の流れ(例)
手続き | 期間の目安 | 留意点 |
証拠収集・準備 | 数週間~数か月 | 有効な証拠を慎重に集める(弁護士相談推奨) |
協議・交渉 | 1~3か月(状況による) | 感情的な対立を避け客観的に問題を整理する |
離婚協議書作成・公正証書化 | 数週間 | 法的効力ある書面を準備し将来のトラブルを予防 |
合意に至らない場合の調停・裁判 | 3~1年程度(調停)、1年以上(裁判) | 弁護士を介して進めることを強く推奨 |
まとめ:不倫問題で安心・スムーズな解決を
不倫による離婚と慰謝料請求を同時に進める場合は、正しい証拠と手続きを整えること、専門家に相談することが大切です。
当事務所では、離婚・慰謝料請求問題の対応実績が豊富で、ご依頼者さまの心身の負担を軽減しつつ、早期かつ適正な問題解決を目指しています。離婚問題でお悩みの方は、1時間無料相談をご利用ください。